イベントの司会や進行を任されたとき、「台本に何を書けばよいかわからない」と感じる方は少なくありません。「当日の進行がうまくまとまるか不安」という声も多く、そのような悩みを解消するのが作り込まれたイベント台本です。
本記事では、イベント台本の基本的な書き方・作り方から、場面別テンプレートと例文、当日までの準備ポイントまで解説します。
イベントの台本作成から当日の運営まで、プロに一括で任せたい方には株式会社ストラーツへの相談がおすすめです。企画立案から台本作成・スライド映像制作・当日運営までワンストップで対応しています。
「台本の作り方がわからない」「準備の負担を減らしたい」といったイベント担当者の課題を、豊富な実績を持つプロが解決します。

1. イベント台本とは?
イベント台本とは、式典・セミナー・懇親会等、イベントを円滑に進行するために作成する「進行管理ドキュメント」です。司会者のセリフだけでなく、登壇者の動きやスタッフの役割まで一元化しています。
台本があることで、関係者全員が同じ情報を共有でき、当日のミスや進行の乱れを防ぎやすくなります。
まずは台本の種類と、作成が求められる理由から確認していきましょう。
(1)司会台本と進行台本の違い

イベント台本には大きく分けて「司会台本」と「進行台本」の2種類があり、それぞれ役割と記載内容が異なります。
目的に合わせて使い分けることで、スムーズな運営につながります。
「司会台本」と「進行台本」の違いは、以下のとおりです。
| 項目 | 司会台本 | 進行台本 |
| 主な使用者 | 司会者 | 運営スタッフ・ディレクター |
| 記載内容 | アナウンス原稿・セリフ・読み方 | タイムスケジュール・スタッフの動き・登壇者の動線 |
| 目的 | 司会者が迷わず話せるようにする | 関係者全員が動きを把握できるようにする |
司会台本は、マイクを持つ人が読み上げるセリフを中心にまとめた台本です。
進行台本はスタッフ全員が共有する運営マニュアルに近い存在で、規模の大きいイベントでは両方を作成し、役割ごとに配布するのが一般的です。
※呼び方は統一されているわけではなく、進行台本は「運営台本」「進行表」、司会台本は「MC台本」「MC原稿」「司会原稿」などと呼ばれることもあります。本記事では分かりやすさを優先し、この2分類で整理して解説します。
(2)イベント台本が必要な3つの理由

イベント台本を用意することで、司会者・スタッフ・登壇者それぞれが自分の役割を把握でき、当日の進行ミスを大幅に減らせます。準備段階で台本を作成しておくことは、イベント全体の品質を高めるうえで有効な手段です。
台本が必要な理由は、主に以下の3点です。
| メリット | 内容 |
| 司会者の不安を軽減できる | 話す内容・タイミング・読み方が明記されるため、本番でも落ち着いて進行できる |
| スタッフ間で動きを共有できる | 誰がいつ・どこで・何をするかが一目でわかり、連携ミスを防げる |
| 進行ミスや時間超過を防げる | タイムスケジュールと照らし合わせながら進行できるため、想定外のトラブルにも対応しやすくなる |
特に初めてイベントを担当する場合、台本がないと司会者が話す内容に迷ったり、アナウンスのタイミングがずれたりしやすくなります。台本は当日の「道しるべ」として機能します。
2. イベント台本の場面別アナウンス例文集【無料テンプレートDL付き】

この章では、1章で紹介した「司会台本」に対応するセリフ例を場面別に紹介します。司会者が読み上げる言葉をそのまま使えるよう、開会前のアナウンスから閉会の挨拶・トラブル対応まで、当日の流れに沿って順番に確認していきます。
また、この章で紹介している例文は「【テンプレ】イベント司会台本(セリフ集)」として無料でダウンロードできます。自由にカスタマイズしてご活用ください。
※進行台本として全体を体系的に作りたい方は、次の章で作成5ステップを解説しますので、あわせてご覧ください。
(1)開会前に伝える案内アナウンス台本
開会前のアナウンスは、参加者が安心して過ごせる環境を整えるパートです。
案内が漏れないよう、必要な内容を台本に明記しておきましょう。
【標準的なビジネスイベントの場合の台本例】
本日はご来場いただきありがとうございます。
お手洗いは会場を出て右手、喫煙所は建物1階の屋外にございます。
定刻〇〇時〇〇分から開始となりますので今しばらくお待ちください。
なお、本日の講演やセミナーについては録音や録画はお控えください。
後日アーカイブ映像をオンラインで公開致します。
(2)イベント開始時のあいさつ/プログラム紹介台本
開会のあいさつは、参加者がイベントへ集中するきっかけをつくる場面です。来場への感謝・開始の宣言・司会者の自己紹介を簡潔にまとめ、イベントの目的や流れへ自然につなげましょう。
【イベント開始あいさつ台本】標準的なビジネスイベントの場合
本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
ただいまより、〇〇イベントを開始いたします。
本日司会を務めます〇〇と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は〇〇をテーマに、〇つのプログラムをご用意しております。
最後までどうぞお楽しみください。
【イベント開始あいさつ台本】表彰式・周年式典の場合
本日は当社創立〇〇周年記念式典にご出席を賜り、誠にありがとうございます。
ただいまより、株式会社〇〇 創立〇〇周年記念式典を開会いたします。
本日司会を務めます〇〇と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は皆様への感謝の意を込めて、〇つのプログラムをご用意しております。
最後までお付き合いいただけますと幸いです。
また、開始の挨拶では、続けてイベント概要やプログラム紹介まで行います。
イベントの目的・テーマ・タイムスケジュールをまとめて伝えることで、参加者が見通しを持って参加できます。
【プログラム紹介台本】標準的なビジネスイベントの場合
本日は〇〇をテーマに、全3部構成でお届けいたします。
第1部は〇〇、第2部は〇〇、第3部は〇〇を予定しております。
〇時〇分頃に15分の休憩を挟み、終了は〇時〇分を予定しております。
お手元の配布資料にもスケジュールを掲載しておりますので、ご参照ください。
配布資料にスケジュールを記載しておくと、参加者が流れを把握しやすく、進行もスムーズになります。
(3)登壇者・ゲストを紹介するアナウンス台本
登壇者紹介は、参加者の期待感を高めながら、スムーズに登壇へつなげる役割を担います。所属・肩書き・実績・話すテーマを簡潔にまとめ、拍手で迎える流れまでセリフに組み込んでおきましょう。
【標準的なビジネスイベントの場合の台本例】
続きまして、本日の講師をご紹介いたします。
〇〇株式会社にて〇〇部門を統括され、〇〇分野において10年以上のご経験をお持ちの〇〇様です。本日は〇〇をテーマにお話しいただきます。
それでは皆様、盛大な拍手でお迎えください。
登壇者の実績や専門性をひと言添えることで、参加者の聴講意欲が高まります。
【懇親会・交流会の場合の台本例】
それではここで、本日の特別ゲスト〇〇さんをご紹介いたします。
〇〇株式会社にて〇〇分野でご活躍中の方で、本日はざっくばらんにお話しいただきます。
後ほどの懇親タイムでも、ぜひ皆様お話を伺ってみてください。
それでは〇〇さん、よろしくお願いします!
懇親会では肩書きを簡潔に伝え、柔らかい言い回しで「会話のきっかけ」を作る紹介の仕方が場の雰囲気にマッチします。
(5)休憩時間と再開時刻を伝えるアナウンス台本
休憩アナウンスでは、再開時刻と着席のタイミングを明確に伝えましょう。
トイレや喫煙所の場所、飲食の可否もあわせて案内しておくと、参加者が迷わずスムーズに戻れます。
【標準的なビジネスイベントの場合の台本例】
ここで15分間の休憩をいただきます。
再開は〇時〇分を予定しております。
お手洗いは会場を出て右手にございます。
喫煙所は建物1階の屋外をご利用ください。
また、会場内でのお飲み物のお持ち込みはご遠慮いただいております。
〇時〇分までにお席へのご着席をお願いいたします。
それでは、ごゆっくりおくつろぎください。
再開時刻の「2〜3分前」に着席を促すアナウンスを入れておくと、時間通りに進行を再開しやすくなります。
(6)質疑応答をスムーズに進めるアナウンス台本
質疑応答のアナウンスでは、質問方法や時間制限をあらかじめ伝えておくことで、参加者が戸惑わずに手を挙げられる雰囲気をつくれます。
【標準的なビジネスイベントの場合の台本例】
ただいまより質疑応答の時間に移ります。
ご質問のある方は挙手をしていただけますとスタッフがマイクをお持ちしますので、会社名・お名前からお願いいたします。
質問はおひとり一問となります。
内容や時間の関係で全員のご質問にお答えできない場合もございますので、あらかじめご了承ください。
それでは、ご質問のある方はいらっしゃいますか?
時間が押している場合は「最後の質問とさせていただきます」と一言添えると、自然に締めくくれます。
【子ども向けイベントの場合の台本例】
それではみんな、今のお話を聞いて気になったこと、もっと知りたいことはあるかな?
手を挙げて聞いてみよう!
スタッフのお兄さん・お姉さんがマイクを持っていくので、質問がある人は元気よく手を挙げてくださいね。
子ども向けイベントでは、難しい言葉を避け、語りかけるような口調で参加を促すと反応が引き出しやすくなります。
(7)イベントを締めくくる閉会のあいさつ台本
閉会のあいさつは、参加者への感謝を伝えながら、アンケートや忘れ物など退場前の案内をまとめる場面です。
次回開催の告知がある場合は、ここで触れておくと自然な流れになります。
【標準的なビジネスイベントの場合の台本例】
以上をもちまして、本日の〇〇イベントを終了いたします。
お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございました。
ご退出前に、お手元のアンケート用紙へのご記入と出口でのご提出をお願いいたします。
また、お忘れ物のないようご確認ください。
次回は〇月〇日に開催予定です。
詳細は後日ご案内いたします。
どうぞお気をつけてお帰りください。
退場時の混雑を防ぐため、案内の順番は「アンケート→忘れ物→退場」の流れにまとめるとスムーズです。
【社内イベント・キックオフの場合の台本例】
以上をもちまして、〇〇年度キックオフミーティングを終了いたします。
本日共有した〇〇方針をもとに、明日から一人ひとりが自分の役割を見据えて取り組んでまいりましょう。
最後までご参加いただき、ありがとうございました。
社内イベントでは、決定事項の振り返りと「明日からの行動」への接続を意識すると締まりが出ます。
(8)トラブル時のアナウンス台本
トラブル発生時のアナウンスは、参加者を落ち着かせることを最優先に考えて作成します。
焦りや混乱が伝わると会場全体が不安になりやすいため、冷静で簡潔なセリフをあらかじめ台本に用意しておきましょう。
【例文①:機材トラブルの場合】
ただいま機材に不具合が生じております。復旧まで今しばらくお待ちください。
【例文②:進行遅延の場合】
進行が予定より遅れております。
今から休憩時間を15分とりまして、第2部の開始をプログラムと変更しまして〇時△分からといたします。
【例文③:緊急避難の場合】
落ち着いて、スタッフの誘導に従い非常口からご退場ください。
お手持ちの荷物は置いたままで結構ですので、非難を優先してください。
【例文④:質問が出ない場合】
ご質問のある方はいかがでしょうか。
…では、事前にいただいたご質問からご紹介させていただきます。
ご質問のある方はいかがでしょうか。
…では、私からご質問させていただきたいと思います。
社内イベントであれば、社員全員が知っている人物に振ってみることもできます。
【例文⑤:拍手が起きない場合】
それでは皆様、〇〇様へ温かい拍手をお願いいたします。
【例文⑥:休憩後に席に戻ってくれない場合】
まもなく第2部を開始いたしますので、お席にお戻りください。
【例文⑦:閉会後に会場から出てくれない場合】
まもなく会場の扉を締めさせていただきます。恐れ入りますが、お荷物をご確認の上ご退出をお願いいたします。
3. イベント台本の作り方・書き方5ステップ【無料テンプレートDL付き】

一方、実務では、イベント全体のタイムテーブルや配役を整理した上で司会セリフを書き込むのが一般的な流れです。
前章では、司会台本のセリフ例を場面別に見てきました。
本章では、2章で紹介した司会台本を含め、進行台本全体を完成させるための5ステップを解説します。司会のセリフだけでなく、イベント全体の進行として台本を整えたい方はぜひご確認ください。
(1)イベントの目的とゴール、参加者を確認する
台本を書き始める前に、イベントの目的・開催形式・参加者の属性を整理しておきましょう。これらを明確にした上で台本を作成することで、司会者のトーンや案内内容をイベントの雰囲気と合わせることができます。
確認すべき項目は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 目的 | 集客・表彰・交流・情報提供など |
| 参加者の属性 | 社内向けか社外向けか、年齢層・役職・業種など |
| 開催形式 | 会場開催・オンライン・ハイブリッドなど |
セミナーであれば、落ち着いたトーンの台本が適しています。
表彰式では厳粛さと高揚感のバランスが求められ、懇親会では柔らかい言い回しが場の雰囲気にマッチするでしょう。目的と参加者の属性を把握することで、台本全体のトーンや案内内容が自然と定まってきます。
(2)当日の流れをタイムテーブルに落とし込む
目的と参加者の属性が固まったら、当日の流れをタイムテーブルとして時系列に整理します。タイムテーブルは台本の「骨格」になるため、セリフ(司会台本)を書く前に必ず完成させておきましょう。
以下は、イベントの基本的な構成例です。
| 時間 | プログラム | 担当 |
| 13:00 | 受付開始 | 受付スタッフ |
| 13:30 | 開会・司会挨拶 | 司会者 |
| 13:35 | 主催者挨拶 | 代表者 |
| 13:45 | 各プログラム進行 | 司会者・登壇者 |
| 15:00 | 休憩 | 全スタッフ |
| 15:15 | プログラム再開 | 司会者・登壇者 |
| 16:30 | 閉会挨拶・終了 | 司会者 |
※プログラムごとの所要時間の目安
・開会挨拶/閉会挨拶:3〜5分
・主催者挨拶:5〜10分
・登壇者紹介:1〜2分
・質疑応答:10〜15分
・休憩:15分程度
作成時は各プログラムの所要時間に加え、登壇者の移動時間や拍手などの「間」も考慮しておきましょう。
時間が押した場合に削れるプログラムをあらかじめ決めておくと、当日の対応がスムーズです。
(3)タイムテーブルに合せて登壇者・スタッフの動きを入れる
タイムテーブルが完成したら、登壇者とスタッフの動きを台本に書き加えます。「誰がいつ・どこで・何をするか」をできる限り具体的に明記しておくことで、当日のミスを防げます。また、全体の動きが明確になることで、司会台本の内容も自ずと決まります。イベントの骨格となる、非常に重要なフェーズです。
記載すべき動きの例は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 登壇者・出演者 | 入退場のタイミング、立ち位置、マイク受け渡しの流れ |
| 受付スタッフ | 来場者の誘導タイミング、配布物の案内 |
| 音響・照明担当 | BGMの開始・終了、スポットライトの切り替えタイミング |
| 進行ディレクター | 全体の時間管理、トラブル発生時の対応判断 |
エクセルなどを活用して、タイムテーブルや各スタッフの動きなどが一覧で確認できるように作成します。
【無料ダウンロード】進行台本テンプレ(Googleスプレッドシート版)
タイムテーブル+司会者セリフ+スタッフ動き+登壇者動きを1枚に統合しています。ご活用ください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1hJPt0MNSiPR6EsMm5GMjPP2CmXeUbg6YSKVRPUuwylk/edit?usp=sharing
(4)司会台本(司会者のアナウンス内容)を作成
各プログラムやスタッフの動きに対応する司会者のセリフを作成します。セリフは話し言葉で書くのが基本で、読み上げたときに自然に聞こえるかを意識しながら作成しましょう。
書くべきセリフの主な項目は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 開会前アナウンス | 携帯マナーモード・トイレ・喫煙所・非常口など参加者への案内 |
| 開会挨拶 | イベントの開始を告げる第一声。場の雰囲気を作る重要なパート |
| プログラム紹介 | 当日の流れや所要時間を参加者に案内する |
| 登壇者・ゲスト紹介 | 氏名・肩書き・登壇の背景などを簡潔に伝える |
| 休憩アナウンス | 再開時刻と休憩中の過ごし方を案内する |
| 質疑応答 | 質問方法・時間制限・締め方を案内する |
| 閉会挨拶 | イベントの締めくくりと参加者への感謝を伝える |
| トラブル時アナウンス | 機材トラブル・進行遅延・緊急避難などへの対応セリフ |
登壇者やスタッフの動きにかかる時間に対してナレーションの分量は適切なのかについても、よく確認しましょう。
各場面の具体的なセリフ例は、2章「イベント台本の場面別アナウンス例文集」で紹介しています。本章のステップに沿って台本に書き込む際の見本としてご活用ください。
(5)関係者に共有して修正点を反映する
台本の初稿が完成したら、司会者・スタッフ・登壇者など関係者全員に共有し、認識のズレや抜け漏れを確認します。
作成者だけで完結させると、当日になって初めて問題が発覚するリスクが高まるため注意しましょう。
共有時に確認すべきポイントは、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 司会者 | セリフに不自然な言い回しや読みにくい箇所がないか |
| 登壇者・出演者 | 入退場のタイミングや立ち位置に齟齬がないか |
| スタッフ | 担当業務の範囲と動くタイミングが明確になっているか |
| 主催者・上長 | 案内内容や挨拶文に誤りや過不足がないか |
また、固有名詞(名前や所属名など)には必ずフリガナをふること、所属や役職名が正式なものとなっているかについては特に注意が必要です。
修正が発生した場合は、バージョン管理を徹底(第〇稿・更新した日付・時間・更新者名などを明記)して最新版がどれかわかるようにしましょう。台本が複数バージョンで混在すると、関係者間で混乱が生じてしまいます。
台本の初稿はイベント本番の「2~3週間前」を目安に共有しておくと安心です。
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4. 司会進行を成功させるコツ|事前準備&当日のポイント

台本が完成しても、当日の進行は事前準備と本番での対応力にかかっています。司会進行を成功させるための実践的なポイントを6つ解説します。
(1)念入りなリハーサル
特に初めての司会進行では、極度に緊張してしまう場合もあるでしょう。
本番前のリハーサルは、台本の完成度をさらに高めつつ、声に出すことで緊張をほぐす効果も期待できます。文字では気づかなかった読みにくい箇所や不自然な「間の取り方」が見つかれば、それらを修正することで、本番ではより自然にアナウンスしやすくなります。
リハーサルでは、以下の点を確認しておきましょう。
- セリフを声に出して読み、言いにくい表現がないか確認する
- タイムテーブルどおりに進行した場合の所要時間を計測する
- スタッフとの動きのタイミングにズレがないか確認する
前日または当日に実際の会場で音響・照明担当者を交えたリハーサルを行うと、本番の不安を大きく減らせます。
(2)登壇者名・肩書きなどの読み方をよく確認する
登壇者の名前や肩書きの読み間違いは、当事者に失礼になるだけでなく、会場全体の雰囲気を損ねる可能性があります。台本に記載する前に、必ず本人または担当者へ正確な読み方を確認しておきましょう。
確認しておくべき項目は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 氏名の読み方 | 珍しい読み方や当て字が使われていないか |
| 肩書き・役職名 | 正式名称と略称のどちらを使うか |
| 社名・団体名 | 読み方や正式表記に誤りがないか |
台本にはカタカナでふりがなを振っておくと、本番で読み間違えるリスクを減らせます。
事前確認は、台本完成前に済ませておくのが理想です。
さらに、リハではイントネーションの確認も忘れずに行いましょう。
(3)参加者の反応を見ながら進行する
台本どおりに進めるのも大切ですが、参加者の反応を見ながら進行を微調整することも司会者の役割です。
会場の空気を読まずに進めると、参加者の熱量と進行のテンポがかみ合わなくなることがあります。
以下の点を意識しながら進行しましょう。
- 笑いや拍手が起きたときは、次のセリフを少し待ってから話し始める
- 会場が静まり返っているときは、語りかけるようなトーンに切り替える
- 参加者が手元の資料を確認しているときは、ペースを落として待つ
司会者は、冷静に定刻通りに会を進行することが仕事です。参加者をおもてなしする側であるという意識を持ちましょう。
(4)話し方にメリハリをつける
話し方にメリハリをつけることで、参加者の集中力を維持しやすくなります。単調な口調が続くと内容が頭に入りにくくなるため、「声のトーン・速さ・間の取り方」を意識的に変えましょう。
意識すべきポイントは、以下のとおりです。
- 重要な案内は少しゆっくり、はっきりとした口調で伝える
- プログラムの切り替わりや登壇者紹介は、テンポを上げて場を盛り上げる
- 沈黙を恐れず、大事な一言の前に間を置いて印象づける
棒読みになりやすい人は、台本に強調箇所や間のタイミングをメモしておくと本番で意識しやすくなります。話し方ひとつで、会場の雰囲気は大きく変わります。
(5)トラブル時は焦らず落ち着いて対応する
トラブルが発生したとき、司会者が焦った様子を見せると参加者の不安を煽りやすくなります。落ち着いた表情と口調を保つことが、会場全体の安心感につながります。
トラブル時に意識すべき対応は、以下のとおりです。
- 機材トラブルなど復旧に時間がかかる場合は、状況を簡潔に説明して待機を促す
- 予期せぬ沈黙が生じたときは、参加者への話しかけや軽い一言でつなぐ
- スタッフへの指示は小声で行う
司会者の落ち着いた対応は、参加者からの信頼に直結します。2章にあるように、台本にトラブル対応のセリフを事前に用意しておくと、本番でも慌てずに対処できます。
(6)タイムテーブルとのズレを調整する
進行中にタイムテーブルとのズレが生じることは、どのイベントでも起こり得ます。
ズレが生じた場合は、次のような対処方法があります。
- 進行が遅れている場合は、休憩時間の短縮や補足説明のカットで吸収する
- 予定より早く進んでいる場合は、質疑応答の時間を延ばして調整する
- 登壇者の話が長引く可能性がある場合は、終了5分前に合図を送る段取りをあらかじめ決めておく
タイムテーブルはできるだけ余裕をもって作成しておくと安心です。
5. よくあるご質問(FAQ)

イベント台本の作成にあたり、よくいただくご質問とその回答をまとめました。
(1)イベント台本のword・エクセルのテンプレは無料でダウンロードできますか?
A. word・エクセル形式のテンプレートは、それぞれ本記事2章・3章からダウンロードしていただけます。
司会台本(セリフ集形式)と進行台本(運営マニュアル形式)の両方を用意していますので、自社のイベント内容に合わせてカスタマイズしてご利用ください。また、公的機関の進行台本サンプル(農林水産省ほか)も無料で公開されており、参考にできます。
(2)子ども向けイベントの台本で気をつけることは?
A. 親しみやすい言葉遣い・短い文・参加型の質問形式を意識することが大切です。
「〜してください」より「〜してみよう」と語りかける口調にし、難しい漢語は避けて一文を15〜20文字程度に収めると、子どもたちの集中力が続きやすくなります。手を挙げてもらう・声を出してもらうなど、参加型の演出を盛り込むのもおすすめです。
(3)オンラインイベントの場合、台本に追加すべき項目は?
A. 配信トラブル時のアナウンス・チャット質問の取り上げ方・カメラ目線の指示などが必須です。
具体的には「ただいま配信が一時的に不安定になっております」などのトラブル対応セリフ、「チャットに〇〇というご質問をいただきました」のような質問の拾い方、開始10分前の接続確認担当の段取りなどを台本に組み込んでおきましょう。カメラ目線については、台本の余白に「【カメラ目線】開会挨拶〜プログラム紹介」「【スライド目線】データ説明時のみ」など、目線を切り替えるタイミングを明記すると、登壇者・司会者ともに迷わず話せます。
視聴者は対面と違い、画面を消せばすぐに離脱するため、テンポと明瞭さがより重要になります。
(4)台本は何日前までに完成させるべきですか?
A. 本番の1週間前までに完成させるのが理想です。
関係者への共有→修正→リハーサルの時間を確保するには、最低でも1週間の余裕がほしいところです。直前完成だと登壇者の言い回し変更や機材リハーサルで判明したズレを反映する時間がないため、リスクが高くなります。大規模イベントなら2〜3週間前の完成を目指しましょう。
(5)30分の短いイベントでも台本は必要ですか?
A. 規模や時間を問わず、台本は必要です。
むしろ短いイベントほど時間配分管理がシビアになり、1分のずれが全体に影響します。簡易版でも「タイムテーブル+司会セリフ+スタッフの動き」を1枚にまとめておくと、当日の進行ミスを減らせます。
(6)AI(ChatGPTなど)で台本を作れますか?
A. AIは台本の叩き台作成に有効ですが、最終チェックは必ず人が行う必要があります。
開会挨拶や登壇者紹介などの汎用パートはAIで効率化できますが、登壇者名・時刻・自社固有のルール・社内事情はAIには判断できません。AIで作った叩き台に手動で固有情報を加え、声に出して読み上げて自然さを確認するワークフローがおすすめです。
まとめ
イベント台本は、司会者のセリフだけでなく、スタッフの動きや登壇者の入退場まで一元化できる進行管理の土台です。順を追って台本を作り上げることで、当日の進行ミスや時間超過を防ぎやすくなります。
自作でも十分対応できるイベントがある一方、規模が大きくなるほど台本の品質が当日の印象を左右します。初めてイベントを担当する方や進行品質をさらに高めたい方は、台本作成から当日の運営までプロへの依頼も検討しましょう。
イベントの台本作成を依頼するなら、株式会社ストラーツがおすすめです。
台本作成から会場演出・当日の進行管理までワンストップで対応し、イベント運営のプロが高品質な進行を実現します。
「台本を作る時間がない」「当日の運営まで安心して任せたい」といった担当者の悩みを、実績豊富なスタッフがサポートします。


