この記事の監修者:堀江 和敬 株式会社ストラーツ 代表取締役社長
これまでに多数のイベント・展示会を制作。日本最大級のIT系のオンライン展示会を主催を経験。
展示会では費用対効果を重視し、名刺獲得からの受注を最大化することを大切にしている。
展示会への出展は、企業の認知拡大や新規リード獲得に直結する重要な施策です。
しかし「何から始めればいいかわからない」「準備すべきことが多すぎて把握しきれない」と悩む担当者も少なくありません。
出展計画の立て方からブース施工会社の選定、当日の運営、会期後のフォローまで、初めて展示会を担当する方でも迷わず進められるよう、成功に導く9つのステップを順を追って解説します。
「展示会のやり方がわからない」とお悩みの方は株式会社ストラーツにご相談ください。展示会のエキスパートが、集客に強いブースや企画をプロデュースします。

展示会のやり方とは?9ステップで解説

早速、展示会のやり方について手順を追って紹介します。展示会のやり方は大きく9つのステップに分かれます。
ステップ(1):出展計画を作る【★最重要】
まず行うべきことは、展示会の出展計画を作ることです。出展計画とは、目指すべきゴールやターゲット、展示製品、予算、スケジュールなどをまとめた計画を指します。
出展計画をどのくらい詰められるかで出展の成否が決まる、といっても過言ではありません。まずは出展計画で全体の骨子を固め、あとは「骨子通りにやるだけ」の状態にできるのが理想です。
出展計画で決めておきたい項目を紹介します。
項目①:目的とゴールの設定
何のための出展なのか(=目的)と、出展後にどうなっていたいか(=ゴール)を決めます。次のようなイメージです。
・目的:何のために展示会に出るのか?(リード獲得や既存顧客との関係強化など)
・ゴール:何を達成したら成功といえるか?(売上や受注金額など)
▼目的とゴールの例
◯目的
新規リードの獲得
◯ゴール
名刺交換やアンケート回収を通じて、200件のリードを獲得し、うち50件を商談、5件を成約に結びつける。最終的に売上〇〇万円を達成する。
ゴールは具体的な数字まで落とし込むのがコツです。
項目②:ターゲット
「とにかく多くの人に来てほしい」だと、誰にも刺さらないブースになる可能性があるため、ターゲットを決めることが大切です。以下の項目を埋めて、「どんな人に来てほしいのか」を明確にしましょう。
以下の項目を埋めることで、ターゲットを絞り込んでいきます。
▼項目例
・業界・業種
・企業規模
・決裁権限(現場サイドの人か、幹部・社長か)
・抱えている課題
想像だけでイメージできない方は、「この企業の担当者と名刺交換できれば理想」といった実在企業を挙げてみてください。ターゲットが明確になると、おのずとブースの方向性も見えてきます。
項目③:テーマ・コンセプトの決定
続いて、出展ブースのテーマとコンセプトを決めましょう。テーマとは「ブースの主役となる商材」を指し、コンセプトとは、「テーマを伝えるための基本方針・切り口」のことです。
| テーマ | コンセプト | |
| 意味 | ブースの主役となる商材 | テーマを伝えるための基本方針・切り口 |
| 問い | 今回は、何について発信するのか? | そのテーマを、来場者にどう体験・体感させるか? |
| 役割 | 展示する製品や技術、サービスを一言でくくる「お題」 | デザイン・キャッチコピー・接客演出すべての「判断基準」 |
| 例 | 経費精算システム | 領収書の手入力・突合チェックをなくし、経理担当者の月末残業をゼロにする |
テーマは「何を主役にするか」を選ぶだけなので、すぐに決められます。重要なのは、ブースの基本方針となる「コンセプト」です。コンセプトが定まることで、後のキャッチコピーも作りやすくなります。
テーマやコンセプト、キャッチコピーの決め方については以下の記事で詳しく解説しているので、ご参考ください。
項目④:チーム体制
展示会の準備から当日、会期後にかけてのチーム体制も決めておきましょう。誰を中心に、どのようにチームを動かしていくのかを明記します。
・展示会のメンバー(準備・当日・会期後を含めた)
・部署間の連携体制(マーケティングや営業も絡むため)
展示会は企画部門だけで完結せず、営業やマーケティング、広報など複数部署の協力が前提です。誰がどの部署とどのタイミングで連携するのかを想定・明記しておくことで、スムーズに動けるようになります。
項目⑤:予算
続いて、いくらでブースを出展したいかの「予算」を決めましょう。このフェーズでは、細かい予算まで出さず、「総額〇〇万円」くらいの粒度で決めて大丈夫です(見積もり後に費用が変わることが多いため)。
総額に加えて、何に費用が発生するかも押さえておきましょう。
▼費用項目の例
・出展料
・ブース施工費
・人件費
・交通宿泊費
・販促費
・その他(保険や備品購入)
1小間ブースの場合、総額で100〜150万円程度は見ておきましょう。もちろん、総額はブースの規模や造作、集客施策、スタッフの内製or外注などによって大きく変動します。
「大体このくらいの予算にしたい」という目印を決めて、そこから逆算して必要な費用を考えてみてください。
項目⑥:スケジュール
準備から当日、会期後に至るまでのスケジュール感も決めておきましょう。ブースを準備するにあたっては、主催者や施工会社、印刷会社とのやり取りが発生します。スケジュールを決めておくことで、それ通りに進んでいるかどうか把握しながら準備できます。
「6ヶ月前」から準備を始めた場合のスケジュール例は次の通りです。
| 時期 | 主な準備内容 |
| 6か月前~4か月前 | ・出展計画の作成 ・出展申し込みの完了 ・施工会社に渡す出展情報を整理 ※小間数や装飾の希望、規則、プロモーション有無など |
| 3か月前~2か月前 | ・ブース施工会社の選定 ・事前集客の計画・実施 ・備品のリストアップと準備 ・配布物の作成 ・人材のアサイン(社内・社外) ・宿泊・交通手配 |
| 1か月前~2週間前 | ・接客マニュアルの作成 ・トークスクリプトの作成 ・スタッフのトレーニング ・アンケート用紙の作成 ・デモや商談アポ取り |
| 前日〜当日 | ▼前日 ・ブースの搬入 ・設営 ・機材や配布物の最終チェック ▼当日 ・スタッフの配置確認 ・全体ミーティング ・来場者対応 ・名刺交換 ・アンケート回収 →名刺やアンケートを誰がどう回収、管理するのかは事前にすり合わせておく |
| 展示会終了後 | ・リード管理表への入力 ・お礼メールや資料送付などの初期フォロー・ 商談につながった案件を営業へ引き継ぎ ・社内で振り返り、ミーティング ・成果レポートの作成と関係部署への共有 |
ステップ(2)ブース施工会社を選ぶ
出展計画ができあがったら、次に「施工会社」を選ぶフェーズに移ります。施工会社選びでは、目ぼしい3〜4社に問い合わせをし、条件を伝えた上で相見積もりを取るのがおすすめです。
▼見積もり時に伝えておきたい情報
・ブースの小間数
・会期の日程と場所
・出展規則
・作りたいブースのイメージ
・予算の上限
これらの情報をもとに施工会社がブースの仕様やデザインを検討・提案してくれます。3〜4社で相見積もりを取り、最終的に1社に絞り込みましょう。
「施工会社の選び方がわからない」「どんな施工会社があるのか知りたい」という方は、こちらのランキング記事をご覧ください。

ステップ(3)人材をアサインする
次に、展示会の出展に必要な人材をアサインしましょう。アサインすべき人材は次の通りです。
・当日の運営メンバー
・事前準備のメンバー
・会期後のリードを引き継ぐメンバー(主に営業)
当日の運営メンバーを外注する場合や、準備段階からディレクターを外注する場合などは、早めに依頼するのがポイントです。人材をアサインできたら、当日の人材配置(役割分担)まで決めておきましょう。
ステップ(4)配布物・ノベルティを準備する
続いて、配布物やノベルティを作り始めます。配布物とは、当日ブースに置くチラシやパンフレットのことで、ノベルティは集客のフックとして配布する特典のことです。
配布物はデザイン作成から印刷まで行う必要があるので、デザイナーや印刷会社に依頼するのが一般的です。費用を抑えたい場合は、「デザインだけ内製し、印刷だけ外注」という選択肢もあります。
ノベルティは松竹梅たくさんの種類があり、「これがおすすめ」というものはありません。お菓子やジュース、ボールペン、クリアファイルなど多岐にわたります。目的に合わせて用意しましょう。
ステップ(5)接客マニュアル作成・スタッフ教育
当日ブースを円滑に回すために、接客マニュアルの作成やスタッフ教育を行います。ポイントは次の通りです。
▼接客マニュアルに入れたい項目
・製品の特徴・競合との差別化ポイント
・よくある質問とその回答例(FAQ)
・資料やノベルティの渡し方
・リードの温度感ごとの対応方針
・商談化の判断基準と次のアクションフロー
あわせて、来場者との1対1での会話を想定した「トークスクリプト」も作りましょう。接客マニュアルやトークスクリプトをもとに、ロープレ形式でスタッフ教育を行います。
マニュアルや教育では、認識ミスが生まれないよう、しっかりと「全員で共有・すり合わせ」するのがポイントです。
ステップ(6)当日持ち込む物をリストアップする
続いて、当日のブース運営に必要な備品をリストアップしましょう。展示台や照明など大掛かりな設備は、基本的に施工会社が準備します。ここでは「自社が持ち込むもの」をリストアップしてください。
▼当日持ち込む物の例
・バインダー
・ボールペン
・延長コード
・名刺入れ
・ハサミ、テープ
・USBメモリ
・商品サンプル
・チラシやパンフレットなどの配布物
備品名を羅列するだけでなく、「何に使う備品なのか」を明記すると準備がスムーズになります。こちらのシートに備品リストを紹介しているので、一例として参考にしてみてください。
参考:備品リスト例
ステップ(7)事前集客を行う
当日の声かけだけでは心許ないため、「事前集客」を行いましょう。たとえば、既存顧客に招待メールを送ったり、SNSで出展情報を配信したりといった方法が挙げられます。
| 事前集客の方法 | 内容 |
| ① 招待メール(招待状) ★おすすめ | 顧客リストを見て、ターゲットに直接メール(招待状)を送る。あわせて特典やクーポンを付与すると、来場率が高まりやすい。 |
| ② SNS ★おすすめ | XやInstagram、Facebook、LinkedInなどの媒体で出展情報を配信する。あくまでも「一人でも多く来てくれたら良い」くらいの感覚で、コストとリソースはかけすぎないのがポイント。 |
| ③ 展示会の特設ページ設置 ※ページ制作費がかかる | 特設ランディングページを作ることで、検索エンジンに表示させる、そこから来場予約につなげるのが狙い。QRコードやGoogleフォームを使った導線づくりがポイント。 |
| ④ プレスリリース ※難易度が高く高額 | 業界専門紙などに出稿する。ただし出稿してもメディアに拾われないと効果が出ない。 |
| ⑤ Web広告 ※難易度が高く高額 | 予算に余裕があり、広告ノウハウがある場合のみおすすめ。ただし効果測定が難しく、思ったよりも成果が出ないケースも珍しくない。 |
予算に限りがある場合は、お金とリソースのかからない施策を選びましょう。上記の中だと、「招待メール」と「SNS」の組み合わせがおすすめです。これらは、ほぼ無料でできます。
展示会の特設ページやプレスリリース、Web広告などの施策もありますが、これらは数万円〜数十万円のコストがかかります。社内に専門家がいたり、予算に余裕がある場合は実施すべきですが、思ったよりも成果が出ないケースが珍しくありません。
特に中小企業の場合は、「来てくれればラッキー」くらいの感覚で、負担の少ない施策を選ぶことが重要です。
ステップ(8)ブースを設営する
ブースの設営は会期2日前から始めることが多く、1日目は施工会社が工事・設営をし、2日目から出展企業が入って設営作業を行います。
▼ブース設営でやるべきこと
・壁面にパネルやポスターを取り付ける
・照明の角度を調整する(設置は設営会社が対応)
・パンフレットやチラシなど配布物を並べる
・デモ機や什器を搬入し、レイアウトに沿って設置する
・備品を搬入し、バックヤードに保管する
ブースの設営は、施工会社と連携しながら進めるのが一般的です。設計図どおりに設営されているかをチェックしながら、ブースを完成させましょう。
ブース設営については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ステップ(9)当日を迎える
ブースを設営したら、いよいよ展示会当日を迎えます。たとえば、10時開場だった場合は、9時ごろには現場に入り、最終チェックを行いましょう。
▼最終チェック項目
・スタッフの配置確認
・デモ機材の動作確認
・ブース全体の見栄えの最終確認
・全体ミーティング
全体ミーティングでは、目標や役割分担、動き方、注意事項などを一通り共有しましょう。混雑が予測される時間とその動き方まで確認しておくとスムーズです。
初担当が押さえておきたい「展示会成功」のポイント3つ

展示会は、準備だけでも膨大なタスクが発生します。「思っていたブースができなかった」「準備が足りなかった」といったケースも珍しくありません。ここでは、展示会への出展を成功させるために最低限押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
(1)短時間でいかに魅力を伝えられるか考える
当日会場には多くの人が訪れますが、BtoB展示会の場合、すでに目当てのブースが決まっている来場者も多いです。「ふらっと立ち寄る」という人は実は多くありません。
そのため、出展企業は「立ち寄ってくれない前提」でブースを作る必要があります。立ち寄ってもらうためにも、短時間でいかに自社の魅力を伝えられるかを考えましょう。
ポイントは次の通りです。
・来場者が歩いてくる方向からキャッチコピーがどう見えるか
・通行量が一番多いホットスポットに商品サンプルを置く
・自社のブランドカラーを全面に出し、企業イメージを伝える
展示会には多くの企業が出展するので、他社に埋もれないような工夫が必要です。レイアウトについては施工会社側も熟知しているので、相談しながらブース作りを進めましょう。
(2)施工会社の見極めとコミュニケーション
理想のブースを作るためには、「施工会社選び」と「密なコミュニケーション」が非常に重要です。
優れたデザイナーが在籍している会社、集客に強い会社、目的やKPIの設定から伴走してくれる会社など、会社によって強みも異なります。
見極めるポイントは次の通りです。
・その会社の「強み」や「対応範囲」を見る
・同じ業界のブース施工実績があるか
・担当者の対応が丁寧でスピーディーか
契約後は、施工会社が主導でブース作りを進めることになるので、密なコミュニケーションが必要です。レスポンスが早い、対応がきめ細かいなど丁寧な対応をしてくれる施工会社を選びましょう。
(3)展示会が終わってからが勝負
展示会は準備タスクが多い上、当日もバタつきます。そのため、メンバーが会期後に燃え尽きてしまうケースが少なくありません。ですが、大切なのは「展示会が終わってから」です。
獲得したリードをいかに商談化させ、成約・受注までつなげられるか、ここが重要です。
・展示会が終わって燃え尽きる(追客対応ができない)
・出展準備に追われてコア業務が疎かになる
準備や当日運営を頑張るのはもちろん、会期後を見据えた設計・リソースの使い方を意識しましょう。
まとめ
展示会の出展は、出展計画の作成から始まり、施工会社選定、人材アサイン、配布物準備、スタッフ教育、当日運営まで多くのステップに分かれます。
特に重要なのは、目的とゴールを具体的な数字まで落とし込んだ出展計画を最初にしっかり固めることです。また、短時間で来場者に魅力を伝える工夫や、施工会社との密なコミュニケーションも欠かせません。
また、獲得したリードを商談・成約へとつなげてこそ、展示会出展の真の成果といえるので、「会期後を見据えた設計」が必要です。準備段階から逆算し、計画的に進めていきましょう。
展示会で自社の製品やサービスを効果的に伝えたいなら株式会社ストラーツがおすすめです。商材の特徴を整理し、来場者に伝わる見せ方やメッセージ設計からブースデザイン・施工、制作物準備、当日運営まで対応。展示会で伝わる展示設計を通じて、出展効果を高めるブースづくりを支援します。

監修者コメント
展示会は、ただ「見せる」だけではなく、「成果を出す」ために戦略的に準備を進める必要があります。来場者の心を動かし、商談やリード獲得につなげるには、目的に合った設計と表現が欠かせません。ブースの力を信じて、ぜひ価値ある展示会にしていきましょう。
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