この記事の監修者:堀江 和敬 株式会社ストラーツ 代表取締役社長
これまでに多数のイベント・展示会を制作。日本最大級のIT系のオンライン展示会を主催を経験。
展示会では費用対効果を重視し、名刺獲得からの受注を最大化することを大切にしている。
展示会の成功は、来場者に「立ち寄りたい」と思わせるブース設営にかかっています。ただ、ブース設営のタスクは多く、滞りなく当日を迎えるためには入念な準備が必要です。
本記事では、展示会ブースの設営方法を徹底解説。準備から運営当日、撤去に至るまでを6ステップで紹介した上で、よくある失敗や設営費用についてもお伝えします。
展示会で自社の製品やサービスを効果的に伝えたいなら株式会社ストラーツがおすすめです。
展示会のブース設営とは?
ブース設営とは、展示会場に割り当てられたスペース(小間)に、壁面パネルや什器、サイン、照明などを設置し、来場者にPRするための空間をつくる作業のことです。
単に「モノを組み立てる」作業ではなく、以下のような要素をトータルで設計・実行するプロセスと捉えるとイメージしやすくなります。
・空間デザイン:ブースコンセプトに沿った壁面デザインや配色、レイアウトの設計
・什器・装飾の手配:テーブル、パネル、サイン、モニターなどの制作・レンタル
・電気・設備工事:照明、コンセント、映像・音響機器の配線
・動線設計:来場者がスムーズに入り、立ち止まり、商談スペースへ誘導される導線づくり
・搬入・撤去:会場ルールに沿った資材の搬入、当日の組み立て、閉会後の解体・原状回復
展示会ブース設営の流れ

続いて、ブース設営の流れを6ステップでわかりやすく解説します。
(1)事前準備 | 3〜6ヶ月前
展示会への出展が決まったら、当日に向けての準備を進めていきます。事前準備では複数のタスクが同時並行するため、担当者が忙しくなりやすいです。ミスが起きないよう、出展が決まった段階で一度タスクを整理しておきましょう。
▼事前準備のタスク一覧
| タスク | 簡単な内容 |
| ① 出展計画の作成 | 目的やターゲット、展示内容、KPI、チーム、予算、当日までのスケジュールをまとめ、出展の方向性を固める。 |
| ② 会場のルール確認 | 主催者が発行する出展マニュアルを確認し、全体のルールを押さえる。電気や水道、インターネット、ブースの壁の高さ規定など色々なルールがあり、書類のやり取りも発生する。※ブース施工会社が仲介してくれるケースもあるので要確認 |
| ③ ブース施工会社を決める | ブース施工会社に問い合わせ、出展の方向性を伝えた上で見積もりを出してもらう。契約後、ブースのデザインや動線、集客方法などを詰めていく。 |
| ④ 備品のリストアップ | 当日必要なアイテムをリストアップして準備する。 |
(2)施工会社とブースの内容を詰める | 2〜3ヶ月前
施工会社が決まったら、コミュニケーションを取りながらブースの内容を詰めていきます。決めるべき項目は次の通りです。
基本的には、ヒアリングで展示会の情報や要望を聞かれ、施工会社からブースを提案される流れです。提案に対して「もっとこうしたい」と意見を言い、理想のブースを作り上げていくイメージです。
(3)施工会社による工事 | 2日前
出展2日前になったら、まずは施工会社が会場に入り、ブースの施工(工事)を行います。会場のルールに従って資材を搬入し、ブースの骨組み、パネルの組み立て、什器の配置、電気工事、全体の装飾までを行います。
(4)自社が入ってブース全体を調整 | 前日
前日になったら、ここで自社が会場入りします。午前中までは施工会社が工事、午後から自社が入ることが多いです。ここでは施工会社の立ち会いのもと、ブース全体の装飾を調整していきます。
▼調整すべきこと
・パネルの掲示位置や見え方
・展示台やテーブルなど什器の配置
・デモ機の動作チェック
・映像や音響のチェック
・照明の明るさや角度
これらの項目をチェックし、「当日すぐに来場者を迎え入れられるブース」に仕上げましょう。
(5)当日運営
ブースが出来上がったら、いよいよ展示会当日を迎えます。会場前には全体ミーティングを行い、ここでスタッフの配置やブース内での動き方を最終確認しましょう。
イベントが始まったら、現場は慌ただしくなります。運営マニュアルや接客マニュアルを参考にしながら、臨機応変に動きましょう。
(6)撤去開始 | イベント終了直後
イベント終了後は、すみやかにブースの撤去に移りましょう。ブースの骨組みや大型什器、装飾については基本的に施工会社が撤去します。
自社で持ち込んだ什器は自分たちで撤去、レンタルした場合はレンタル業者と連絡しつつ、終了後すぐに撤去できるようにしましょう。
施工会社選びにお悩みの方は、以下の記事をご覧ください。20社をランキング形式で紹介しています。

ブース設営でよくある4つの失敗

続いて、ブース設営でありがちな失敗例を4つ紹介します。
(1)主催者ルールの見落とし
展示会ごとに、ブースの高さ制限や防火規定(使用できる装飾素材の制限など)などが細かく定められています。施工が完了してから指摘され、当日慌てて修正するケースは少なくありません。
高さ制限については、工事する側(ブース施工会社側)がしっかりと確認します。ただし、自前で装飾素材を用意するなど、工事が絡まない部分は注意が必要です。
良かれと思って素材を用意したが、実は防火規定に引っかかっていた、というケースが稀にあります。こうした見落としを防ぐためにも、事前に主催者マニュアルを必ず確認しましょう。
(2)搬入経路・時間の確認不足
会場によってはエレベーターのサイズ制限や、搬入時間の厳格な区切りがあります。什器や大型装飾を発注する前に、搬入可能なサイズ・時間帯を確認しておくことが重要です。
会場ルールを把握しつつ、施工会社やレンタル業者と密にコミュニケーションを取ることが大切です。
(3)電気容量・配線トラブル
モニターやデモ機、照明を後から追加した結果、想定していたコンセント数や電気容量が足りなくなるケースです。
ブレーカーが落ちて開催中に機材が止まってしまうと大きな機会損失になります。使用する機材をリストアップした上で、必要な電気容量を施工会社と事前にすり合わせておきましょう。
ブース設営でお悩みの方は、株式会社ストラーツにご相談ください。企業の目的や予算、要望をしっかりと理解した上で、出展をサポートします。
(4)バックヤードの確保不足
デモ機の予備や配布物のストック、スタッフの私物置き場など、来場者から見えない裏動線のスペースを見込んでいないと、開催中の運営が非常にやりづらくなります。
レイアウト設計の段階で、装飾スペースだけでなくバックヤードの確保も忘れずに計画しておきましょう。
集客力を高めるブース設営のコツ

展示会では、いかに多くの人にブースに入ってもらい、リード獲得につなげられるかが重要です。ここでは、集客力を高めるためのブース設営のコツを4つ紹介します。
(1)「3秒」で伝わるブースを作る
来場者は短時間で多くのブースを回るため、企業は「素通りさせない工夫」が必要です。そのためにも、3秒で伝わるブースを作りましょう。やっておきたい工夫は次の通りです。
・キャッチコピーは、商材とベネフィットが一瞬で伝わる内容にする
・サイン類は来場者が歩いてくる方向から見やすい角度、高さにする
・ブランドカラーをメインにすることで自社の世界観を伝える
このように、来場者が近くを通ったときに「おやっ?」と思ってもらえる工夫が必要です。まずは第一印象でインパクトを与えて、ブースに入ってもらうことを考えましょう。
(2)デモ展示で体験を与える
ブースの中で「デモ展示」をするのも効果的です。実際にシミュレーションができたり、スタッフによる実演を見たりすることで、来場者に強い記憶を残せます。デモ展示の例をいくつか挙げてみます。
・タブレット上で製品の導入シミュレーションができる展示
・タッチパネルで料金プランや導入効果を比較できる展示
・ロボットやIoT機器を動かし、動作精度や反応速度を見せる
タブレットやタッチパネルなどを配置する際は「ご自由にどうぞ」と、来場者に自由に触ってもらう形式にするのが効果的です。実際に触れることで、自然と質問や不明点が出てきて会話につながります。
(3)足し算よりも「引き算」で考える
ブース設営でありがちなのが、「あれもこれも」という考えになり、什器や装飾、ブースの色数などを増やしすぎるケースです。足し算ではなく、引き算で考えた方がスッキリとまとまったブースに仕上がります。
・ブース全体の色数は2〜3色でまとめる
・フォントも2種類、多くて3種類までにする
・ロゴやキャッチコピーの周りに他の情報を置かない
・什器は最小限にし、来場者が歩きやすい、見やすい空間にする
情報量が多すぎると「結局何も伝わらないブース」になりがちです。あえて余白を持たることで、本当に伝えたいことだけをピンポイントで伝えしましょう。
(4)小間位置に合ったレイアウトにする
ブース単体はおしゃれでも、「どこに位置するか」によって見え方は変わります。メイン通路に面しているのか、角小間なのか、他社に挟まれているのか、など。ブース位置に応じて最適なレイアウトを考える必要があります。
最適なレイアウトを考えるためにも、主催者から配られる「会場図」を読み込むことが大切です。また、出展目的によってもブースの作り方は変わるので、施工会社と密にコミュニケーションを取りましょう。
ブース設営の費用相場

結論を先にお伝えすると、ブースの設営費用は50〜100万円(1小間)です。これは施工会社に依頼した場合の目安であり、ブースのデザインから工事、基本的な装飾、什器の手配、搬入出などの業務が含まれます。
ただし、あくまで目安の金額であり、施工会社によって料金に含まれる範囲は異なるので注意が必要です。
ブースの設営費用を安くする方法

続いて、ブースの設営費用を安くする4つの方法をお伝えします。
(1)最低でも3社から見積もりを取る
施工会社を選ぶ際は、3社以上から見積もりを出してもらいましょう。これは、複数を比較検討することで、自社に合った会社を選びやすくなるからです。
なお、相見積もりを取る際は、すべての会社に「同じ条件」を伝えましょう。
▼揃えたい条件
企業ごとに異なる条件を伝えると、同じ金額でも内訳が大きく変わってしまいます。正しく比較するためにも、同じ条件での相見積もりは必須です。
(2)什器や備品を持ち込む
什器や備品をすべて丸投げにせず、自社で持ち込むことで費用を抑えられます。たとえば、テーブルや椅子、収納ボックス、スタンド類などです。搬入出の手間はかかりますが、数千円〜数万円のコストカットになるでしょう。
(3)パッケージ形式のシステムブースにする
「とにかく安く」を考えるなら、パッケージ形式のシステムブースがおすすめです。
パッケージブースとは、すでに業者側で仕様が決められているブースを指します。システムブースとは、オクタノルムやトラスといった部材を組み合わせて作るブースです。
この「パッケージ形式」と「システム」を組み合わせることで、より安いブース制作を提供できます。デザインの自由度はやや劣りますが、低コストで制作できる、施工スピードが早いなどのメリットがあります。
以下の記事では、展示会ブースを安く作るためのコツを詳しく解説しています。おすすめの施工会社も取り上げているので、ぜひ参考にしてください。

(4)施工会社に「素材」を提供する
あらかじめ施工会社に「素材」を渡すことで、設営コストを安くする方法です。これにより、施工会社側も設営イメージが湧きやすくなり、ブース制作もスムーズになります。
▼渡したい素材の例
「デザイン込み」で依頼すると費用は高くなりがちなので、完成データを渡せるだけでコストを削減できます。
展示会ブースの設営事例7選
実際に展示会で出展された、企業のブース設営事例を紹介します。
(1)株式会社farmo(ファーモ)

引用:【イベント出展のお知らせ】農業Weekに出展します | 株式会社farmo
株式会社farmo(ファーモ)は、幕張メッセで行われる農業Weekに出展し、当日は取り扱っている製品の実機を展示しました。
このブースは、 色分けされた大型パネルで「果樹」「水田」「ハウス」といった用途別の情報を明確に提示し、来場者が自分に関係するエリアをすぐに見つけられる構成が特徴です。
・用途ごとに色分けされたパネルで、来場者が関心のある情報を直感的に探しやすい
・高い位置のキャッチコピーと大きな文字で、遠方からでも視認性が高い
・実物展示とパネル説明を併用し、視覚と実体験の両方で訴求できる
・ブース全体のカラーを統一し、清潔感とブランドイメージを強化している
・スペースの配置が整理され、動線がスムーズで滞在しやすい
(2)ダイヤオフィスシステム株式会社

引用:【展示会レポート】第5回名古屋働き方改革EXPOに出展しました!| ダイヤオフィスシステム株式会社
ダイヤオフィスシステム株式会社は、ポートメッセなごや(新 第1展示館)にて開催された、第5回名古屋働き方改革EXPOに出展しました。
このブースは、円形の上部構造と白を基調とした開放的なデザインで、 遠くからでも企業名とブランドメッセージが目に入りやすくなっているのが特徴です。
・高さのある円形パネルで企業名とキャッチコピーを360度から視認できるようにしている
・大型モニターによる動画展示で、歩きながらでも内容が伝わりやすく立ち止まりを促進
・緑の装飾(観葉植物)で親しみやすさとリラックス感を演出し、ブースの印象を柔らげている
・壁面のビジュアルが製品やサービスの活用シーンを端的に伝え、説明前から理解を促す
・動線が広く確保されており、複数名の来場者が同時にブース内に入りやすい
(3)株式会社DTS

引用:【イベントレポート】 ものづくりワールド[東京] 2024に出展しました!| 株式会社DTS
株式会社DTSは、東京ビッグサイトで開催された「製造業データ活用」に関連する展示会に出展しました。
ブースは赤と白を基調とし、力強く洗練された印象を与えるデザインが特徴です。入り口部分に設けられた斜めのフレーム構造は、 来場者の視線を自然に中央へと導く役割を果たしています。奥には打ち合わせ用のスペースも設置され、プレゼンテーションと商談をスムーズに行えるレイアウトになっています。
・赤を基調とした配色で、遠くからでも強いインパクトを与えられる
・斜めに配置されたフレームがデザイン性と視認性を両立し、来場者の注目を集めやすい
・パネルやモニターを両サイドに配置することで、歩行者の導線上からも情報が伝わる構造
・ブース奥に設けられた商談スペースが、落ち着いて話せる環境を提供している
・展示物のレイアウトが整理され、効率よく情報を伝達できる設計になっている
(4)株式会社イクスラボ

引用:【展示会レポート】WFJ2023に出展しました | 株式会社イクスラボ
株式会社イクスラボは、東京ビッグサイトで開催された「ウェルネスフードジャパン2023」に出展しました。
このブースは、「映える」「多品種小ロット」「防犯サイン」といった 用途別にカラフルなカウンターでゾーニングされており、来場者が自分の興味に合わせて立ち寄りやすい設計です。
・大型ロゴと鮮やかなCMYKカラーで、遠目からでも強いアイキャッチ効果がある。
・カウンターごとに色を変えることで、サービス内容を自然に分類・整理して提示している
・来場者が「自分に関係する情報はここだ」と直感的に判断できる構造になっている
・スペースがオープンで入りやすく、商談や説明にスムーズにつなげやすい
(5)株式会社ハンチョウ

引用:第2回 製造業DX展 [東京] に出展しました | 株式会社ハンチョウ
株式会社ハンチョウは、「MES(製造実行システム)」をテーマに展示会へ出展しました。
ブース全体を大きなパネルで構成し、生産ラインやIoT活用の流れをイラスト化して表現することで、 来場者がシステムの全体像を一目で理解できるよう工夫されています。
・大型パネルに工程全体を図解し、MESの仕組みを視覚的に分かりやすく伝えている
・「現場力=MES」とシンプルなキャッチコピーで、来場者の記憶に残りやすい
・IoT・品質管理・デジタル化などのキーワードを散りばめ、関心のあるテーマを拾いやすい構成
・シンプルな配色(赤・白・黒)で視認性を高めつつ、情報量の多い展示でも整理された印象を与えている
(6)株式会社アトムストーリー

引用:Japanマーケティングweek夏に出展しました!| 株式会社アトムストーリー
株式会社アトムストーリーは、「パラパラ漫画ムービー」をテーマに展示会へ出展しました。
明るい黄色を基調としたブースは遠目からでも目を引き、正面に配置された大型モニターで実際の制作事例を映し出すことで、 通りすがりの来場者が思わず足を止める構成になっています。さらに、「心を揺さぶる」「制作実績500社」という強いキャッチコピーを前面に掲げ、信頼感と独自性を短時間で訴求している点が特徴です。
・黄色を基調とした配色で、遠くからでも視認性が高く、ブース全体に統一感を持たせている
・「心を揺さぶる」「制作実績500社」といったキャッチコピーで、来場者の関心を一瞬で引き付ける
・大型モニターを正面に配置し、動画コンテンツで来場者の足を自然に止める仕掛けを実現
・実績を数値で示すことで、安心感と信頼感を高め、商談への心理的ハードルを下げている
・情報をシンプルに整理し、来場者が迷わず理解できる設計になっている
(7)株式会社イーバリュー

引用:【展示会出展レポート】Japan DX Week に出展しました | 株式会社イーバリュー
株式会社イーバリューは、「スマロボDX」をテーマに、RPAを超えた自動化の価値を訴求するブースを展開しました。
キャッチコピーを大きく掲示し、複雑に見えるDX導入を「使える自動化」としてシンプルに表現しています。さらに、 スタッフが来場者に親しみやすく接客できる雰囲気を演出し、商品理解と好印象を同時に獲得している点が特徴です。
・「RPAを超える」というインパクトのあるコピーで、来場者の興味を引きやすい
・スローガンや数字を大きく配置し、サービスの効果を直感的に理解できる構成
・スタッフが商品を手に持って笑顔で対応し、親しみやすさと信頼感を演出
・手書き風フォントや明るいデザインで、堅いテーマを柔らかく伝える工夫
・実際の導入効果を掲示し、「成果が出る自動化」であることを強調
まとめ
ブース設営では、レイアウトや動線をどうするか、装飾や什器は何を使うかなどを踏まえ、最終的に来場者に伝わる空間を作る必要があります。
ただ単にブースを組み立てるだけでなく、施工会社との綿密なコミュニケーションと事前準備が大切です。
また、ブース設営を外部委託するなら株式会社ストラーツがおすすめです。
監修者コメント
展示会は、ただ「見せる」だけではなく、「成果を出す」ために戦略的に準備を進める必要があります。来場者の心を動かし、商談やリード獲得につなげるには、目的に合った設計と表現が欠かせません。ブースの力を信じて、ぜひ価値ある展示会にしていきましょう。
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