この記事の監修者:堀江 和敬 株式会社ストラーツ 代表取締役社長
これまでに多数のイベント・展示会を制作。日本最大級のIT系のオンライン展示会を主催を経験。
展示会では費用対効果を重視し、名刺獲得からの受注を最大化することを大切にしている。
「展示会に出展することが決まったけれど、どうすれば多くの来場者にブースへ来てもらえるのか分からない」
そんな悩みを抱えていませんか。
展示会の集客力は、当日の頑張りだけでなく、事前準備やブース設計、スタッフの立ち回りなど、複数の要素の積み重ねで決まります。
本記事では、来場者を増やすための具体的な方法を12個、そして陥りやすい失敗パターンも合わせて紹介します。初めての出展でも実践しやすい内容なので、ぜひ準備の参考にしてください。
展示会で自社の製品やサービスを効果的に伝えたいなら株式会社ストラーツがおすすめです。商材の特徴を整理し、来場者に伝わる見せ方やメッセージ設計からブースデザイン・施工、制作物準備、当日運営まで対応。展示会で伝わる展示設計を通じて、出展効果を高めるブースづくりを支援します。
呼び込みと声かけの違いは?来場者心理に合わせたアプローチが重要

展示会運営における「呼び込み」と「声かけ」は似て非なるものであり、来場者の心理によって使い分ける必要があります。
(1)「呼び込み」と「声かけ」の違い

呼び込みとは、通路を歩いている、まだ自社ブースに関心を持っていない来場者に対し、足を止めさせるきっかけを作る行為を指します。街頭でのティッシュ配りに近いイメージです。
一方の声かけは、すでに何らかの形でブースに関心を示し、足を止めている来場者に対して、悩みや目的をヒアリングする行為です。「何かお悩みですか?」といった問いかけがこれにあたります。
▼来場者心理に応じたアクション
展示会における来場者の心理は、①無関心→②認知→③興味→④検討→⑤行動の5段階に分け、各フェーズに合わせて呼び込みや声かけを使い分けます。
| 来場者の心理段階 | 状態 | アクション |
|---|---|---|
| ① 無関心 | ブースの存在に気づいてすらいない | ― |
| ② 認知 | 視界には入っているが関心はまだない | 呼び込み |
| ③ 興味 | 歩調が緩む、視線がブースに向く | 呼び込み→声かけへの移行 |
| ④ 検討 | 足を止め、パネルや展示物を見ている | 声かけ |
| ⑤ 行動 | 質問する、資料を求める、名刺交換に応じる | 声かけ→商談化 |
つまり、呼び込みは「無関心層を興味層へ引き上げる」役割、声かけは「興味層を検討・行動層へ引き上げる役割」を担っています。役割が違う以上、話す内容も切り替える必要があります。
(2)呼び込みと声かけが同じトーンだと来場者が離れてしまう
よくある失敗は、呼び込みと声かけを同じトーンで話してしまうことです。たとえば、次のようなパターンがあります。
① まだ歩いている段階の来場者に「何かお悩みですか?」と深く踏み込む
→ 唐突さに警戒され、足早に通り過ぎられる
② すでに足を止めてパネルを読んでいる来場者に、通路用の短いキャッチコピーだけを繰り返す
→ 会話が深まらず、興味を持ってくれた来場者を逃す
呼び込みのゴールは「足を止めさせること」自体ではなく、足を止めた来場者を、声かけによるヒアリングへスムーズに引き渡すことにあります。この「引き渡し」の設計ができているかどうかが、集客の成否を分けます。
展示会の呼び込みで足止め率を高めるコツ

呼び込みの成果は「気合い」や「勢い」だけで決まるものではありません。声をかける量、タイミング、相手の見極め、そして立ち位置や身だしなみといった細かな要素の積み重ねが、通行人の足を止められるかどうかを左右します。
ここでは、当日スタッフが意識すべき4つのポイントを解説します。
(1)呼び込みの「量」を確保する
まずは、呼び込みの母数を増やす必要があります。1人あたりの呼びかけ時間を短く区切り、テンポよく多くの通行人にアプローチできる体制を作りましょう。
ただし量だけを追うのではなく、次に紹介する「タイミング」「相手の見極め」と組み合わせることが重要です。
(2)タイミングを見極める
呼び込みの対象はまだ足を止めていない通行人です。意識すべきは、足を止めた後の様子ではなく、歩いている最中の変化です。例をいくつか見てみましょう。
・自社のブースを見ながら向かってくる
・自社ブースの近くで、歩くスピードがふっと緩む
・ブース入口のサイネージや実演デモに目をやる
これらのサインが出た瞬間が声をかけるチャンスです。逆に、すでに足を止めてパネルをじっくり読んでいる来場者は、呼び込みではなく声かけの対象に切り替わっている状態です。
(3)ターゲットになる人かどうか見極める
手当たり次第に声をかけるのではなく、自社のターゲットかどうかを見極めることで、ムダな呼びかけを減らし効率よくリードを獲得できます。見極めポイントは次の通りです。
・首から下げている名札(所属企業名からターゲット像との合致度を判別)
・他社の資料袋・ノベルティの有無(競合他社のものであれば親和性が高い可能性)
・歩くスピード(速い人は急いでいる可能性が高く、ゆっくりの人は滞在の余裕がある)
これらをわずかな時間で見極めるのは難しいですが、意識できると効率よく来場者を呼び込めるでしょう。
(4)立ち位置・表情・身だしなみを整える
呼び込みは言葉だけでなく、非言語の印象も大きく影響します。特に意識したい4つのポイントをお伝えします。
① 立ち位置
通路に対して正面や垂直ではなく、斜め45度が基本。正面から向き合うと威圧感を与え、来場者は避けて通るようになります
② 表情
疲れた表情や無表情はNG。作り笑顔でも構わないので、明るい表情とアイコンタクトを意識する
③ 姿勢
腕組みやポケットに手を入れる、スマホの操作はNG。両手は見える位置に置く
④ 身だしなみ
服のシワや髪の乱れ、口臭は事前にチェックする
複数人が立つブースでは、全員が統一して実践することで安心感が増し、呼び込みの効果も安定します。
呼び込みから声かけへの引き渡しをスムーズにするポイント

呼び込みは、あくまでブースの認知→ブースに入ってもらうための施策であり、呼び込み後は「興味のありそうな人への声かけ」に移行する必要があります。
呼び込みから声かけの引き渡しをスムーズにするためにも、スクリプトを作ったり、役割分担したりすることが重要です。
(1)スクリプトを「呼び込み用」と「声かけ用」で分ける
呼び込みと声かけでは、話す相手の心理段階が違うため、スクリプトも別物として用意する必要があります。
呼び込み用では、通行中の相手を一瞬で惹きつけるような言葉にしましょう。一方の声かけ用では、足を止めた相手の課題を引き出すような言葉をかけるのがポイントです。
| 目的 | 呼び込み用 | 声かけ用 |
|---|---|---|
| 目的 | 足を止めさせる | 課題を引き出す |
| 長さ・形式 | 3〜5秒の一言 | 会話形式の質問 |
| 内容例 | 「〇〇でお困りではありませんか」 | 「どのような業務でお困りですか」 |
2つのスクリプトで両方を兼用しようとすると、どちらの場面でも中途半端な言葉になり、足止めにも深掘りにも失敗しやすくなります。それぞれの役割に合わせて、別物として作り込みましょう。
(2)スタッフの役割を分担する
呼び込みから声かけへの引き渡しは、担当者の役割が明確に分かれているほどスムーズに機能します。人数に余裕があるチームでは、呼び込み担当・ヒアリング担当・商談担当と役割を分け、それぞれが得意な場面に集中できる体制を作りましょう。
役割が曖昧なまま全員が呼び込みも声かけも兼任すると、声をかけるタイミングを逃したり、対応が重複して来場者を圧迫したりする原因になります。
| 役割 | 目的 |
|---|---|
| 呼び込み担当 | 通行人の足を止め、声かけ担当へ引き渡す |
| 説明・ヒアリング担当 | 課題や関心を聞き出し、デモや資料へ誘導する |
| 商談担当 | 名刺交換・アンケート・アポイントへつなげる |
(3)ロールプレイ研修で「切り替え」を練習する
スクリプトを作っただけでは本番で使いこなせません。呼び込みと声かけそれぞれのトークだけでなく、呼び込みで足を止めた来場者を、いつ声かけの会話に切り替えるかというバトンタッチの練習も行っておきましょう。
(4)呼び込み強化の「仕掛け」を用意する
声かけそのものだけでなく、通行人が自然に足を止めたくなる「仕掛け」を用意しておくと、スタッフの呼び込みトークに説得力が加わり、引き渡しの成功率も上がります。
話す内容だけで足を止めさせようとするのではなく、視覚的なインパクトや「体験できる」という具体性を持たせることがポイントです。
| 仕掛け | 内容 |
|---|---|
| デジタルサイネージ・モニター | 動きのある映像は視線を引きやすく、声をかける前に「足を止めやすい状態」を作れる |
| 実演デモ・体験コーナー | 「1分で試せます」という呼び込みトークに説得力が生まれる |
| チラシ・ノベルティ | 「体験でもらえる限定ノベルティ」など、声かけが「立ち止まる理由」に変わる仕組みにする |
BtoB展示会の集客につながる仕掛けについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

展示会の呼び込みで避けたいNG行動・NGワード

呼び込みは「量だけをこなせばよい」施策ではありません。良かれと思って取っている行動や、丁寧なつもりで使っている言葉が、実は来場者を遠ざけている場合があります。
ここでは、現場で無意識に起こりがちなNG行動と、呼び込み・声かけそれぞれの場面でのNGワードを整理します。自社のスタッフが当てはまっていないか、当日までに確認しておきましょう。
▼NG行動の例
① 動線を塞ぐ・進路を遮る
→来場者は逃げ場を失うと警戒し、遠回りするようになります。声をかける際は横や斜め前から自然に
② 断られた相手にしつこく食い下がる
→一度の拒否は明確な意思表示です。無視して食い下がるとクレームやSNSでの悪評につながるリスクがあります
③ 複数のスタッフが同時に群がる
→来場者が圧倒され、萎縮や不快感につながります。1人の来場者には基本的に1人のスタッフが対応する
▼NGワードの例
| NGワード | 何が問題か |
|---|---|
| 「よろしければご覧になっていってください」 | 立ち寄るメリットが伝わらず、通行人の判断材料にならない |
| 「お立ち寄りください」 | 汎用的すぎて、自社ブースである理由が伝わらない |
| 「今お時間よろしいですか?」 | 「これから営業トークが始まる」と身構えさせ、警戒心を高めてしまう |
| 「アンケートにご協力いただけますか?」 | まだ足も止めていない段階で言うと、「情報だけ取られる」という印象を与え、逆効果になる |
呼び込みの場面では、「〇〇でお困りではありませんか」「〇〇の見直しを検討されていますか」のように、来場者自身の課題やメリットに触れる言葉を選びましょう。
抽象的な呼びかけより、具体的な課題への言及の方が、通行人は「自分に関係がある」と感じやすくなります。
まとめ
展示会の呼び込みは、通路にいるまだ無関心な来場者を「興味」の段階まで引き上げる活動であり、ブース内で関心を持った来場者に課題をヒアリングする「声かけ」とは、担う役割がそもそも異なります。
この違いを理解せずに同じトークで臨むと、通行人に警戒されたり、せっかく足を止めた来場者との会話が深まらなかったりと、集客の機会を取りこぼしてしまいます。
呼び込みで足を止めさせ、声かけでニーズを引き出し、デモや名刺交換へつなげる。この一連の流れを分業・仕組みとして設計し、成果を工程ごとに測定することが、展示会集客を安定して成功させる近道です。
展示会で自社の製品やサービスを効果的に伝えたいなら株式会社ストラーツがおすすめです。商材の特徴を整理し、来場者に伝わる見せ方やメッセージ設計からブースデザイン・施工、制作物準備、当日運営まで対応。展示会で伝わる展示設計を通じて、出展効果を高めるブースづくりを支援します。
監修者コメント
展示会は、ただ「見せる」だけではなく、「成果を出す」ために戦略的に準備を進める必要があります。来場者の心を動かし、商談やリード獲得につなげるには、目的に合った設計と表現が欠かせません。ブースの力を信じて、ぜひ価値ある展示会にしていきましょう。
▶ ストラーツ公式サイト|▶ コラム


