この記事の監修者:堀江 和敬 株式会社ストラーツ 代表取締役社長
これまでに多数のイベント・展示会を制作。日本最大級のIT系のオンライン展示会を主催を経験。
展示会では費用対効果を重視し、名刺獲得からの受注を最大化することを大切にしている。
展示会の当日運営は忙しくなりやすく、事前に動き方をすり合わせておかないと、現場の判断が遅れたり、対応品質にバラつきが出たりします。そこで用意しておきたいのが、運営マニュアルです。
本記事では、展示会運営マニュアルの基本的な考え方から、最低限入れておきたい9つの項目、読みやすくまとめるコツ、作成時の注意点までを解説します。
展示会で自社の製品やサービスを効果的に伝えたいなら株式会社ストラーツがおすすめです。商材の特徴を整理し、来場者に伝わる見せ方やメッセージ設計からブースデザイン・施工、制作物準備、当日運営まで対応。展示会で伝わる展示設計を通じて、出展効果を高めるブースづくりを支援します。
展示会の運営マニュアルとは?

展示会の運営マニュアルとは、展示会の当日運営にあたって必要な情報をまとめた書類のことです。開催概要やタイムテーブル、平面図・パース図、備品リストなどの項目を少ないページ数にまとめます。
運営マニュアルを作ることで、次のようなメリットを得られます。
① 会期中の「どう動けば良いかわからない」を減らせる
② 全員に共有することで、業務・接客品質を平準化できる
なお、本記事における運営マニュアルとは、あくまで「運営」に特化したマニュアルを指し、接客マニュアルや業務マニュアルなどは別物として定義しています。
運営マニュアルは「ペライチ」で作るのが理想

展示会当日は、来場者対応や小間内のトラブルなどでスタッフは常にバタついています。分厚いマニュアルを渡しても、その場で読み込む余裕はなく、結局「開かれない資料」になりがちです。
だからこそ、運営マニュアルは1枚に要点を凝縮した「ペライチ」が理想です。知りたい情報に一目でたどり着ける状態を作っておけば、動きながらでもサッと確認でき、判断や対応のスピードが落ちません。
事前に読み込む資料と、当日その場で見る資料は分けて考え、後者は思い切って情報を絞り込むことが、実用的なマニュアル作りの鍵になります。
展示会運営マニュアルに入れたい9項目

運営マニュアルの内容は、運営の方向性や展示会の規模などによって変わるので、「これが正解」というものはありません。ですが、どんな展示会でも最低限入れておきたい項目はあります。ここでは、当日スタッフの動きを支える9つの項目を紹介します。
(1)開催概要
展示会の”あらまし”として、開催概要を記載します。入れておきたい内容は次の通りです。
企業によっては、外注スタッフを入れることもあります。スタッフが迷わずにブースに到着できるよう、正確な情報を書いておきましょう。
▼作成例

(2)タイムテーブル
タイムテーブルには、当日ブースで「何時に何が行われるのか」を書きます。
具体的には、開場や朝礼、終礼、撤収開始の時間などです。企業によっては、セミナーなどの小イベントを行うこともあります。それらが何時に行われるのか簡潔にまとめましょう。
▼作成例

(3)平面図とパース図
ブースの配置を把握するために、平面図とパース図も用意しておきましょう。平面図はブースを真上から見た図で、什器や動線の配置を確認できます。
パース図とは、ブースを立体的に描いたイメージ図のことです。ブースの全体像が直感的にわかるので、どのように動くべきかのイメージがしやすくなります。
また、これらの図面内に「ブース番号」や「スタッフ配置」があると親切です。
▼作成例

(4)集客フロー
来場者への「声かけ」から「商談化」までの流れも明確にしておきましょう。集客フローの例を紹介します。
① 呼び込み担当がノベルティをフックに声をかけ、製品を簡単に紹介する
② 興味を示した来場者には、詳しい説明を説明担当に引き継ぐ
③ 説明担当が製品説明を行い、反応が良ければ名刺交換を打診する
④ 名刺交換後、ニーズや課題をヒアリング(温度感が高ければ商談スペースへ案内)
誰が何を担当するのかを役割ごとに分けておくことで、スタッフ間の連携がスムーズになり、来場者を待たせることなく対応できます。
▼作成例

(5)シフト表
マニュアルには、簡易的なシフト表も入れておきましょう。1〜2小間の場合、スタッフ数は多くて3〜4人なので、簡易的なシフトで問題ありません。
ただ、展示会は混みやすい時間があるので、どのタイミングに人手を厚くしておくべきかを明記しておきましょう。
▼作成例

(6)備品リスト
当日使う備品をリストでまとめます。たとえば、ヒアリングシートやパンフレット、文房具類などです。必要になったらすぐに取りに行けるよう、備品名と場所を明記しましょう。
▼作成例

(7)難しい質問を受けたときの引き継ぎ先
まだ社内業務に慣れていない社員がいたり、運営スタッフを外注したりする場合は、質問の引き継ぎ先を書いておくとスムーズです。例をいくつか挙げてみます。
来場者からは、どのような役割のスタッフでも「企業の社員」として見られます。本人が答えられない場合でも、すぐに引き継ぎできる体制があると安心です。
▼作成例

(8)トラブル対応
会期中にトラブルが起きた場合の対応も、マニュアルにまとめておきましょう。いくつか例を挙げてみます。
| トラブル例 | トラブル内容と対処法 |
| ① 展示トラブル | 製品の破損や機材トラブル。 【対策】代替手段を用意しておくと安心。 |
| ② 急な欠員 | 前日や当日に欠員が出るケース。 【対策】欠員が出ても運営できる体制を作る、あるいは予備人員を用意しておくと安心。 |
| ③ 想定以上の混雑 | 想定よりもブース来場が多く、接客や誘導が追いつかないケース。 【対策】一次対応が追いつかない場合の待機場所や優先順位の付け方を決めておく |
| ④ クレーム | 来場者や近隣ブースからクレームが来るケース。 例1)【来場者】声かけがしつこい、待たされた割に対応が悪かった 例2)【隣接ブース】客引きの範囲が広すぎて隣のブースに迷惑がかかる 【対策】クレームが出ないようなブース設計にしつつ、万が一クレームが来た場合には迅速に対応する。 |
▼作成例

(9)注意事項
運営スタッフに対する注意事項もまとめます。たとえば、ゴミの処理や貴重品の扱い、飲食の場所などです。禁止事項があれば、全員に伝わるようにわかりやすく記載しましょう。
▼記入例

※マニュアル閲覧時などスマホが必要なケースも多い。あくまで「私的利用」を制限する旨を記載する。
展示会は運営だけでなく、企画や施工などタスクが膨大にあるため、自社に合った制作会社と出会えるかが重要です。以下の記事では、おすすめのブース制作会社をランキング形式で20社紹介しています。

読みやすい運営マニュアルを作るコツ

必要な項目を盛り込んでも、当日スタッフに読まれなければ意味がありません。忙しい現場でもすぐに情報を拾えるよう、ページ数や形式を工夫する必要があります。ここでは、読みやすい運営マニュアルに仕上げるための2つのコツを紹介します。
(1)ページ数は最小限にする(ペライチが理想)
マニュアル作成では「念のため」と情報を足していくうちに、ページ数が膨らんでしまうことがよくあります。ページ数が多いと、結局「開かれないマニュアル」になってしまいがちです。
冒頭でお伝えした通り、運営マニュアルは「ペライチ」が理想です。表面にテキストベースの情報、裏面に平面図・パース図を載せるなど、シンプルな設計にしましょう。
10ページ以上あるなどボリュームが多いと、スタッフに読まれません。展示会当日は忙しく、マニュアルを1ページずつめくる時間もないので、できるだけ少ないページ数にしましょう。
(2)スマホでも読める形式にする
当日運営では、紙のマニュアルを都度取り出すよりも、スマホで見た方が早いケースも多いです。紙のマニュアルを配布しつつ、スマホでも読めるようにすると良いでしょう。
データはGoogleドキュメントやPDFファイル形式にする、あるいは「1枚の画像」で共有すると、スタッフも読みやすいです。また、文字が小さいと読みにくいので、スマホ閲覧を想定した文字サイズにしましょう。
展示会運営マニュアルを作る際の注意点

マニュアルは作って終わりではなく、当日実際に活用されて初めて意味を持ちます。作成時に見落としがちなポイントを押さえておくことで、当日のトラブルや混乱を防ぎやすくなります。ここでは、運営マニュアルを作る際に意識しておきたい3つの注意点を紹介します。
(1)情報の「更新漏れ」に注意する
展示会は開催のたびに会場やタイムテーブル、担当者が変わることが多いです。前回のマニュアルを流用する際、日付や会場名、緊急連絡先などを更新し忘れると、当日スタッフが誤った情報をもとに動いてしまう危険があります。使い回す際は、必ず全項目を見直すルールにしておきましょう。
(2)印刷・データの予備を用意しておく
紙のマニュアルは汚損や紛失が起こり得ますし、スマホでの閲覧も電池切れや通信トラブルで見られなくなることがあります。
紙は数部多めに印刷しておく、データはオフラインでも見られる形式(画像やPDFの端末保存)で共有しておくなど、当日「マニュアルが見られない」事態を防ぐ工夫をしておきましょう。
(3)マニュアル作成に時間をかけすぎない
マニュアルの作成そのものに時間をかけすぎると、本来注力すべきブース設計や接客準備の時間が圧迫されてしまいます。すべてを網羅しようとせず、当日必要な情報に絞って効率よくまとめることが大切です。
最初から完璧を目指すのではなく、まずは最低限の型を作って運用し、展示会を重ねるごとに改善していく姿勢の方が、結果的に実用的なマニュアルに育っていきます。作成の完璧さより、現場で使われることを優先しましょう。
まとめ
展示会運営マニュアルは、開催概要やタイムテーブル、集客フロー、トラブル対応などをまとめ、当日スタッフが迷わず動けるようにするための資料です。分厚い資料は現場で読まれないため、要点を絞った「ペライチ」にまとめることがポイントです。
また、配布タイミングやトラブル前提での作成、情報の更新漏れなど、作成時に押さえておきたい注意点もあります。今回紹介した9項目とコツを参考に、自社に合った実用的なマニュアルを作成してみてください。
展示会で自社の製品やサービスを効果的に伝えたいなら株式会社ストラーツがおすすめです。商材の特徴を整理し、来場者に伝わる見せ方やメッセージ設計からブースデザイン・施工、制作物準備、当日運営まで対応。展示会で伝わる展示設計を通じて、出展効果を高めるブースづくりを支援します。
監修者コメント
展示会は、ただ「見せる」だけではなく、「成果を出す」ために戦略的に準備を進める必要があります。来場者の心を動かし、商談やリード獲得につなげるには、目的に合った設計と表現が欠かせません。ブースの力を信じて、ぜひ価値ある展示会にしていきましょう。
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